屍人荘の殺人を読んだ感想です☆ [Book]

屍人荘の殺人をようやく読み終わりました。
ゾンビが登場するのは、まあいいとしても、
それをアブストラクト等に書かないのはどうでしょうか。
普通、ミステリィでネタバレを気にする必要があるのは
トリックや犯人だと思うのですが、
クローズドサークルを構成する一要素を隠すのは意味不明でした。
まるでゾンビが登場する以外、面白ポイントが無いかのようです。
実際、謎やトリックは大したことありません。

生ける屍の死もゾンビが出るミステリィでしたが
あちらは死者が生き返ることがトリックにかかわってきます。
屍人荘の殺人のゾンビに関して言えば、
他のクローズドサークルものでいう嵐のようなもので、
絶対にゾンビである必要があったようには思えません。
しかし真面目に謎を解く気力を削ぐ効果はありそうです。

屍人荘の殺人の面白いところは、ほのぼのしているところです。
ペンションが数百体のゾンビに囲まれているのに、
ちょっとしたバリケードしか作らず、また脱出を計画したりはせず、
すやすや眠ったり、朝シャンしたり、音楽をガンガンにかけたり、
コーヒーブレイクしたり、ラブコメしたりします。大人の余裕って素敵ね。

また登場人物も魅力的な方ばかりです。
主人公は特別な魅力もない普通の男ですが、なぜか女性たちに好かれます。
あたりにぐちょぐちょの死体が転がっている異常事態だというのに、
後述するケンジャキに発情したりする異常性欲者で、火事場泥棒です。

美少女探偵のケンジャキも、お嬢様風の可愛らしいキャラクタで、しかもデカパイで、
ことあるごとに主人公を誘惑します。いつ主人公に惹かれたのかは謎です。
やたらボディタッチしてくるのが、原萩子ちゃん的にはイヤでした。
名探偵体質とかいう、ちょっと痛々しいメフィスト賞的能力者でもあります。
汀こるものか何か?(すっとぼけ)

他のキャラクタは……、まあ、どうでもいいでしょう。
女性陣は美人ばかり(全員主人公に好意的)、男たちは性格の悪い不細工ばかりと
あれ、俺また転生しちゃいました?みたいな感じです。

犯人についても少し触れておきましょう。
屍人荘の殺人の犯人はいわゆる天啓型犯人で、
ゾンビが発生するという異常事態の最中、大した用意もなく、
一瞬のうちに犯罪計画を思いつき、実行に移し、成功させます。すごいですね。
明らかに自分たちの生命を脅かす危険な行為でしたので、
さぞ物凄い殺人の動機があるのかと思いきや、
近所の人が被害者に振られて自殺したので、その復讐とのこと。
うーん、もうちょっと場所を考えてはいかが?

ちなみにゾンビが発生した理由はテロリズムです(続きは続編で)。
あーそうですか。

まほろパイセンの時も書きましたが、
綾辻、有栖川両先生は、島田荘司の真似をして、得体のしれない新人作家をゴリ推すのは、
自らの名声を貶めるだけでなく、新本格全体の評価を下げることにつながるので、
止した方がいいと思いました(小学生並みの感想)。

あ、忘れていました。
面白かったです。☆5です。
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意外性のある動機 [Book]

ミステリィ小説では意外性のあるトリックが求められているものですが、
いくら意外性のあるトリックを作れたとしても、
それを自然にストーリィに組み込めなければ意味がありません。
小説ではなく単なる謎々になってしまうからです。
新本格の批判点である人間が書けていないというのは、
要するにそういうところでしょう(よくわかりません)。


例えば、密室トリック。
少し考えてみるだけで、意外性のある変なものは
色々と思いつきますが(既出のものばかりでしょうけど)、
密室のための密室ばかりで、
実用的(つまり現実でも使えるような)なものは多くありません。

実用的なものとはどういったものでしょう?
密室トリックと聞くと、奇抜なものを思い浮かべる人がほとんどでしょうが、
本来、犯人が密室を作る意味とは、自殺を偽装するためなのです。

そうでなければ、犯罪芸術家のような頭コズミックな犯人を創造したり、
あるいは偶然密室になったとするなど、
若干、ファンタジィ色が強くなってしまいます。
トリックの為に、ストーリィを力技で合わせていくしかありません。

しかし、どちらの場合も、ちょっと犯人の頭が弱いので、
探偵と犯人、つまり作者と読者の知恵比べになりません。
特に頭コズミックの場合、意味不明な大金を使ったトリックなども可能なので、
もう本当にバカみたいですよ(作者も読者も)。


ですが、ただでさえ出尽くしたといわれている密室トリックに、
「自殺に見せかける」という縛りをかけてしまうと、
もう私のような凡人では全然思いつきません。
やはり密室のための密室トリックを使わざるを得ません。
それによる非現実的なバカバカしさを払拭するには、
一体どうすればよいのでしょうか?

答えは記事のタイトル通り、意外性のある動機を犯人に持たせればよいのです。
これは正直(私にとって)頭コズミックと、あまり変わりないのですが、
なぜか世間では、意外性のある動機は褒められる向きにあります。

よくあるもので、犯人が同性愛者だったというようなものがありますが、
ちょっと差別的でどうかな?と思います。
あと妻の母乳を独り占めするために、子供を殺すという動機もどうかと思います。
意外性がありすぎるのも考えものなのです。
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QEDシリーズって知ってるぅ? [Book]

読んだ方がいいです。
「ミステリィ史上まれにみる傑作ですから」といって薦めたら、
その人が二度とミステリィを読まなくなるくらいには駄作ですから。

私はいままで全二十作の内、五作を読みましたが、
面白いと思った作品はありませんでした……。
なぜこんなにもシリーズが続いているのでしょうか。
そのくせ映像化はまったくされないのです。はっきりいって異常です。

ペダンティックな長文糞語りが映像化に向いていないのでしょうか?
しかし、百鬼夜行シリーズは映像化されています。
単純に事件に華が無く、しかも映像化するとガバガバが露呈するからでしょう。

QED 式の密室 (講談社文庫)

QED 式の密室 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/03/15
  • メディア: Kindle版


ということで、今回は式の密室について書きます。
うれしいだるぉ!?(思い出したように淫夢語録)


式の密室とは、なんか……あれですよ。
メフィスト賞作家が何人か集まって、
各々密室物を書くという企画で生まれた作品ですか?

まあ、そんなわけで密室物なのですが、
これがもう本当に面白くないのです。

と、肝心の事件、トリックの話をする前に、
基本的な(そして私が大嫌いな)キャラクタたちの紹介をしておきましょう。


まず探偵役の桑原崇
これは京極堂の真似をしている人といえばわかりやすいでしょう。
京極堂を知らない人は、身近にいる暗い人をまず想像してください。
その人が、自分のことを恰好いいと思い込んでいて、
普段はクールに振舞っているけど、女性に質問されると、
めっちゃ早口で得意気に喋りだす、と思ってください。キモイですね。
あとカクテルが好きです。あーもキッモイキッモイ。
作者と似た名前(QEDシリーズの作者は高田崇史)なのも、地味にポイント高いです。


次は聞き役(なんでしょうかこの役は)の奈々くんです。
七は孤独な数字ですが、奈々くんはくるくるぱーです。
キャバクラ嬢を想像してみてください。
実際に見たことがなくても、想像上のキャバクラ嬢で十分です。
奈々くんは、それです。しかし奈々くんは、
仕事のためにバカなふりをしているキャバクラ嬢と違い、本当のバカです。

「それじゃあ~~じゃないですか!」
「~~だなんて!」
こればかり言っている気がします!(意味無し!マーク)
あと?も多用します。
式の密室ではついに「?」という文章が登場しました。
普通、首を傾げたとか地の文を書くところじゃないのですか?
ト書きじゃないんですから。


最後は、小松崎です。
熊のような体格をしているため、通称熊つ崎です(全然上手くない)。
事件を持ってくる役兼バカ役です。
嘘アレルギィという特異体質で、嘘を聞くとくしゃみがでます。
ただのお笑い要素(笑えないよ!)かと思いきや、
自白を引き出すのに利用されたりしました。バカミスですね。


登場キャラクタに、どれだけ魅力がないかを理解してもらったところで、
いよいよ密室殺人事件の説明をします。
そう、ただ密室だっただけでも、密室で自慰をしていたという話でもなく、
殺人事件なのです。面白くならないわけがありません(そうでもないけど)。

被害者は自宅二階の書斎で殺されていました。
書斎からの悲鳴を聞いた被害者の妻が部屋に入ろうとしたものの、
扉が施錠されていたため、執事を呼んで手斧で鍵を破壊してもらい、
その間に使用人が遅れてやってきたため、結局三人で、遺体を発見しました。

後頭部に打撲傷、喉には短刀が刺さっていたそうです(へえ)。
他殺の可能性が高いと思われましたが、
書斎が「完全な密室」であったため、自殺として処理されました。

「完全な密室」というものが、この世に存在し、
中で人が死んでいた場合、死因はおそらく窒息死ですが、
それはさておき、「式の密室」の密室の密室が、
どのような密室だったのかを簡単に説明します。

まず扉です。扉には先ほど書いたとおり、鍵がかかっていました。
しかも外には鍵穴がなく、外側からは一切施錠できないタイプです。

窓の鍵は特別なものではありませんが、普通にかかっていました。
窓の鍵をどうにかしたとしても、
その窓の真下には、使用人の部屋の窓があります。
そして使用人は何も見ていないと証言しました。

更に被害者が殺される直前、そして瞬間(それらしい物音と悲鳴が聞こえた)、
部屋の前には妻がいました。彼女は誰も出入りしていないと証言しました。

更に更に、被害者の自宅、その周囲は高い柵に囲われ、
大雨によってぬかるんでいた庭には足跡一つなく、
玄関付近にいた執事も、誰の姿も見なかったと証言しています。
外からの侵入の可能性はほぼゼロだということです。




ここまで書けばわかるわね?
容疑者は、被害者の妻、執事、使用人しかいない以上、
誰かが嘘を吐いているということよ。

でもQED世界の無能警察曰く、
「密室にするメリットがない」
「嘘を吐いて密室に見せかける必要はない」
だから、嘘を吐いている人がいるとは思えないのだそう。
「?」
えっと、外部からの侵入の形跡がないのだから、
密室=自殺に見せかけるしかないじゃない。バカじゃないの?
「怪しい人物が、部屋から出て行きました!」と叫べばすむことだ(原文ママ)。
なにがすむの?


さて、では嘘を吐いているのは誰なのか?
まず考えられるのは妻です。次に執事です。
使用人に関していえば、
嘘をついたところで特に意味はないので、放っておきましょう。

こうなればもう、妻単独、執事単独、妻&執事共犯、このパターンだけです。
あとは後出し証拠、証言を待つのみの、くだらない事件ですね。
しかし、ここからがQEDシリーズの凄いところで、
なんと「全員、嘘を吐いていなかった」という結論まで持っていくのです。
その驚きの手法とは、なんと百鬼夜行シリーズの真似……、
QEDシリーズ第一作目、百人一首の呪でやったこととほぼ同じです。
https://inunekomushi.blog.so-net.ne.jp/2019-01-20
「?」
頭おかしいよこの人。

あ、そうです(唐突)。頭がおかしいといえば、この小説には、
「この犯行は人間には不可能だ!」
「こんなことができるのは式神だけだ!」
「よって式神を使えるAが犯人だ!」とかとち狂った三段論法で、
A本人に「お前が式神を使って殺したんだろ!」とかほざきにいく、
やべーやつが登場します。
いくら探偵役の頭をよく見せたかったとしても、
キチガイと比べることはないでしょう。

あと肝心の探偵役の推理も、数ある可能性の一つでしかないものを、
なぜか絶対の自信をもって披露し、なぜかそれが正答とかいう、
神さまみたいなことをやってます。九十九十九かお前は。
ということで、皆も読もうJDCシリーズ。

秘密室ボン QUIZ SHOWクイズショウ (講談社文庫)

秘密室ボン QUIZ SHOWクイズショウ (講談社文庫)

  • 作者: 清涼院 流水
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/05/16
  • メディア: 文庫


この本はJDCシリーズではなく、
メフィスト賞作家が何人か集まって、
各々密室物を書くという企画で生まれた作品です。
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よねぽ大先生の小説を読み捨てた一か月 [Book]

ブログの更新をサボって何をしていたかというと……、
私の勝手だろ。お前たちに報告する義務はない。

主に寝たり、ご飯を食べたり、バットマンしたり、
バットマンしながら寝たり、バットマンしながらご飯食べたり、
バットマンしながらバットマンしたりしました。

あとは時々、米澤穂信大先生の小説を読んでいました。
犬はどこだ
ボトルネック
儚い羊たちの祝宴
追想五断章
リカーシブル
こんな感じです。

氷菓
https://inunekomushi.blog.so-net.ne.jp/2017-09-16
https://inunekomushi.blog.so-net.ne.jp/2017-09-20
https://inunekomushi.blog.so-net.ne.jp/2017-09-24-1

愚者のエンドロール
https://inunekomushi.blog.so-net.ne.jp/2018-01-28
https://inunekomushi.blog.so-net.ne.jp/2018-01-29

インシテミル
https://inunekomushi.blog.so-net.ne.jp/2017-10-31
https://inunekomushi.blog.so-net.ne.jp/2017-11-01
https://inunekomushi.blog.so-net.ne.jp/2017-11-02

満願
https://inunekomushi.blog.so-net.ne.jp/2018-01-04

なども、すでに読んでいるので、
私のことは、よねぽ信者と呼んでください。
ちなみに、すべて百円で買ったものです。
定価で買ったら耐えられないところでした。

ということで、時間もないので感想を簡単に書いていきます。

犬はどこだ
病気で仕事を辞め、田舎に戻り、犬探しを職業にするキチガイの話。
田舎で犬だけ探して生きていけるわけがないのです。
社会復帰活動の一環だとしても、もう少しまともな仕事があるでしょう。
それこそ何でも屋とかでいいじゃないですか。
なぜ犬に絞る必要があるのですか?
毎日犬が脱走する異常地帯なのですか?
作者の主張のため、話の都合のために作られた設定なので、
まあ、どうでもいいのだけれど。

大した話でもないのに複数視点で並列して事件が進み、
それが考えうる限り、一番単純な形でつながります。
探し物は簡単に見つかるし、インターネットの友人がすべてやってくれます。
ミステリィ小説も簡単になったものです。

ボトルネック
特に読み所さんはないです。
とにかく主人公の性格が悪い。
なんか佐藤友哉の作品を思い出させる糞主人公でした。
あと他によくわからない女が何人か出てきますが、
どいつもこいつも性格にリアリティがなく、
ただでさえ荒唐無稽な小説が、三流ライトノベルに。

儚い羊たちの祝宴
クラシカルで幻想的なもののなりそこないの残骸。
すべての短編にバベルの会というものが登場するものの、
それに特に意味はない。やりたいことはわかるけど(なんか凄く見せたいんだと思う)。

追想五断章
都合よく探し物が見つかる。
子供に力負けし、銃をぶっ放すアホが見どころ。
トリックはこれ以外ある?という代物。まあ普通ですよね。

リカーシブル
こんな女子中学生いますかね?
私の女子中学生感とは合いません。
しかし、この小説も、あまりにも荒唐無稽な話でした。
有限と微小のパンを腐らせたようなオチでした。


段々と文章が短くなってますね。早く寝たいのです。
詳しく感想を聞きたい場合は、コメントでそう書けばいいと思います。
私は聞きたくも、書きたくもないですが。

よねぽ大先生の作品には大きな共通点があります。
それはつまらないことと、何らかの賞にノミネートされていることと、
話のために人物設定、舞台設定がガバガバなところと、
キャラクタ全員の性格が悪いことです。

特にキャラクタ全員の性格が悪いことに、私はどうしても耐えられません。
主人公はもちろん、脇役に至るまで全員性格が悪いのです。
性格の悪さがリアリティだと思っているか、
作者の性格が悪いか、あるいはそれ以外が原因でしょう。

主人公たちの多くは、心の中で人に毒吐き、
中には、親切にしてくれた人にまで悪態を吐く奴がいます。
そんな奴の視点で進む本を、私は読みたくありません。
脇役だと、例えば司書(的な人)が非協力的で、突然声を荒げたりしてきます。
よねぽワールドはいったいどうなっているのでしょうか?

こんな異常世界で、社会派気取りのミステリィを展開しているので
動機も糞もなく、トリックも不条理で意味不明です。
ゴッサムシティの犯罪みたいなものなので、考えるだけ無駄でしょう。

結局は、人間が描けてない(社会派ミステリィ向きの)という一言につきます。
舞城王太郎の書くキチガイキャラを、普通の社会派ミステリィに解き放ったようなものです。
キチガイにはキチガイの居場所があります。
熊の場所にでも帰って欲しいです。

熊の場所 (講談社文庫)

熊の場所 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/02/15
  • メディア: Kindle版


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小説を書くにあたって [Book]

まずキャラクタが必要だと思います。
OK Baby Honey それは Why な・ぜ・か?
お人形遊びは、まずお人形ありきです。
家の模型や装飾品を買うのは、お人形を買ってからが一般的です(同時ということもありますが)。

どれだけ家の模型が立派でも、お人形が死にかけでは、遊ぶ気もなくなります。
ゆえに私はキャラクタの魅力を重視します。
単純な話、ラノベ的といわれようが、
魅力的なキャラクタが多く登場する小説の方が、
私にとって、書くのが楽しいという理由もあります。

しかし、なにをもって魅力的とするかの基準は人それぞれです。
特に私のような、最近のアニメのキャラクタより、
自分(原萩子ちゃん)の方が、可愛いと思っている、
生粋(なまいきではない)のキチガイだと、
大多数のボンクラ共に合わせるのは至難の業です。

よって、キャラクタの魅力をアクティブに表現するのではなく、
読んでいて不快でない、くらいがちょうどいいのかもしれません。
私の好きな小説や漫画も、性格の悪いキャラクタはいても、
読んでいて不快なキャラクタはあまりいません。
私の好きな作品がそうである以上、私もそれを目指すべきです。
技術的に難しいかもしれませんが、そういう挑戦をしないのならば、
わざわざ小説を書く意味がありません。
(こういう調子で、毎回一人でハードルを上げ、結局書けなくなるのですが)


人形が揃ったら、次に必要なのは家……ストーリィです。
これは理論上は作るのが簡単です。
主役になんらかの困難を与え、それを打破させればよい(あるいはさせない)だけ……
なのですが、私は困難というものを書くのが苦手なのです。
困難という困難をものともせず、天才的頭脳で即時解決してきた私にとって、
困難によって生じる、無駄な思考、無駄な行動というものを想像することが困難で、
話を引き延ばす為に必要であるとわかっていても、
書くことが困難です(天才的頭脳でなんとかしろ)。

トリックさえあれば、比較的(哲学著などと比べ)簡単に書けるミステリィならば、
登場人物に「謎だ」と言わせておけば、
大多数の読者も「謎だ」と思うはずなので、
まあ、なんとかなるかもしれません。


人形と家が揃ったら、最後は装飾が必要です。
正直な話、なくてもよいのですが、
あったらあったで、粗を誤魔化すくらいの機能は期待できます。
具体的には、無意味な恋愛要素とか、サービスシーンとか。
鮭の皮みたいなものです。


というわけで、これらを根底に、
いつか小説を書きます。みんなも書こう。
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小説家になりたい [Book]

多くの読書好きの例に漏れず、
小説家は、私のなりたい職業の一つです。
(他には哲学者、ダンサー、声楽家など)

読書好きに、小説家になりたい人が多いのは何故でしょうか?
他人のことはわかりませんが、
私の場合、本を読んでいる内に、
「私ならこういう展開にするのに」と思うことがあると、
小説を書きたくなる傾向にあるようです。

しかし、多くの小説家になりたい人の例に漏れず、
私は小説を完成させたことはありません。
他人のことはわかりませんが、
私の場合、書いている内に、内容の酷さに書く気がなくなってしまいます。

たとえば、ミステリィ小説を書いていると、
途中で「こんな簡単なトリック誰でもわかるじゃないバカバカしい」となり、
トリックを複雑にするも、「さすがにこれだとわかりづらいでしょうか」となり、
フェアネスのためにヒントを書くも、あまりにも露骨なので、
無意味な文章を書いて、ヒントを埋もれさせようとするも、文章量が大長編になってしまい、
「最近の消費者に受けるのは薄い小説なのです」という世知辛い都合により、
文章削り作業が始まります。

文章を削り始めると、必然的に読み直しが必要になります。
読み直せば、読み直すほど粗が見つかるので、この作業は終わることがありません。
私はこう見えて(このブログを見よ)完璧主義者なので、
誰にも批判されない完全なものが作りたいのです。
しかし、どのような優れた作品も、変な人間(私を見よ)は批判するものです。
はっきりいって無意味な作業なのですが、延々やってしまいます。
こうして私は小説を完成させられないのです。

小説は誰にでも書けますが、
小説家とは、小説を完成させられる人間を指しますので、
私は小説家にはなれそうもありません。

小説を完成させられる日があるとすれば、
それは私が羞恥心をなくした日でしょう(まだかろうじてあるのです)。
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死にかけているメッセージについて色々 [Book]

何故わかりにくいダイイングメッセージを残すのでしょうか?
(瀕死の状態で、変なナゾナゾを思いつくことの異常さには目を瞑ります)
それには「犯人が気付いて消してしまわないように」という意見があります。

しかし、意味がわからなかろうと、
変なメッセージが残されていたら、犯人は消すと思うのですがいかがでしょう?
ですが、消した痕跡まで完全に隠すことは難しいので、
名前を残せる……つまり顔見知りの犯行である可能性が強くなります。
あくまで強いだけなので、一概にはいえません。

そもそもクイズや頓智のような、
正解がふわっとしたものでは、犯人の名前に辿りついても、まるで意味がありません。
たとえばというダイイングメッセージが残されていたとします。
共産主義、消防車、イチゴ、血……などなどが思いつきますが、
このどれかに正解があり、それに当てはまる容疑者がいたところで、
なんの意味もないことは言うまでもないのです。


でもでも、はっきり名前が書いてあったとしても、安心はできません。
死にかけている時に正常な判断ができるとは限らないのです。
「顔は見てないけど、自分を恨んでいる人の名前を書く」
「なんとなくキライな奴の名前を書く」
「好きな芸能人の名前を書く」
などなど、可能性はいくらでも考えられますから。


つまり、私たちがダイイングメッセージを見た時にやるべきことは、
なにも考えずに放っておいて、警察に科学的な捜査を任せることです。


コメントへーんしん♡
https://inunekomushi.blog.so-net.ne.jp/2019-03-31
わかった!
by ハギワラシ (2019-04-07 16:12)

「うそつき」
どうせ読んでもいないだろう君は。
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机上の九龍城 [Book]

とでも言うべきでしょうか(言うべきではない)。

SF部分ばかりが取り沙汰されがちですが、
西澤保彦のミステリィの魅力は、
九龍城のように複雑な論理性にあります。

それがどのようなものか気になる人は、この小説を読みましょう。

麦酒の家の冒険 (講談社文庫)

麦酒の家の冒険 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2000/06/15
  • メディア: Kindle版


麦酒の家の冒険(上のあふぃの本)は森博嗣が言うところの、
『タック&タカチ』シリーズの何作目かなにかです(時系列がよくわかんない)。
何作目かよくわからないので、登場人物とかもよくわからないと思いますが、
私も(この本を読んだ当時)よくわからないまま読んだので、おそらく大丈夫でしょう。

この小説では、ミステリィらしい事件は起きません。
『四人の大学生がぷち遭難し、迷い込んだ先の家に、
 なぜか大量のビールがあったので、その理由を考えよう』
と推理大会をするだけの話です。
人が死んだりしませんし、この四人はなんの被害も受けません。完全な部外者です。
安楽椅子ミステリィ、日常系ミステリィのハーフ&ハーフのようなものです。

延々ずっと推理シーンが続くだけで、派手なシーンもなく、
普通ならば退屈しそうなものですが、
推理に次ぐ推理、空論に次ぐ空論が目まぐるしく展開し、
飽きる事が……まあ人によってはあるでしょう(多様性)。

謎を解くヒントは、四人の見たままのものがすべて、
つまり読者は、大学生四人と、ほぼ完全に同じ条件なわけです。
ですが、貴方はきっと謎を解くことはできないでしょう。
『長い家の殺人』のトリックを一瞬で暴いた(タイトルでわかった)
この私ですらまったくわかりませんでしたから。
作者が提示した情報を、すべて完璧に活用しないと解けないと思います。
こんなもの!(大破)作者以外わからないに決まっているじゃないですか。

もしわかったという方がいらっしゃいましたら、私にご一報ください。
「うそつき」と返しますので。
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ぼぎわんが、来るなら恋! [Book]

ネタバレが(枕詞)

ぼぎわんが、来る 比嘉姉妹シリーズ (角川ホラー文庫)

ぼぎわんが、来る 比嘉姉妹シリーズ (角川ホラー文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2018/02/25
  • メディア: Kindle版


別に閲覧数が伸びるわけでもないので、
はっきりいって更新する意義を感じませんが、
仕方なく書きます。

さて、今回は三章について書こうと思うのですが、
その前に、ぼぎわんのダメな所さんをおさらいしておきましゅ。

その1、魅力的なキャラクタが存在しない。
単純に魅力がない、個性がないというより、
不愉快さを感じるキャラクタばかりが出てきます。

「ぼぎわん」は、なんでもありのお化けですし、
被害者家族は親戚まで含めてクズばかりですし、
民俗学者は大した知識もないうえ、クズですし、
オカルトライタは、無精子インポテンツですし。

あとスパイダーマン柴田理恵。

かといって、シリーズタイトルにもなっている比嘉姉妹が
魅力的かというとそういうわけでもありません。
まず妹は0能力者です。別に可愛くもありません。
小汚い系です。私は好きではありません。
特に書くことはありません。

逆に姉はすごい霊能力者です。
日本中を飛び回って幽霊退治をしているらしいです。
幽霊が名前を聞くだけで「ひぇ^~」と逃げていきます。少し笑えます。
除霊の方法は、物理的な取っ組み合いと火遁の術でした。もう笑えません。

警察庁長官だかとも知り合いらしく(直通電話)、
その権力を利用し、真面目に仕事をしている刑事を脅迫したシーンは、少し不愉快です。
私は、他人の権威を笠に着るやつが主人公の作品(櫻子さん)と、
警察を物分かりの悪いバカみたいに書く作品(櫻子さん)がキライなのです。


その2、意味のない話が多い。
イクメン夫によるモラハラ、
民俗喪男の意味不明な嫉妬、
比嘉妹とオカルト記者の不妊、
比嘉姉妹の自分語りのすべて、
イクメン夫の祖父によるドメスティックバイオレンス、
色々調べたけど、結局よくわからないぼぎわんの正体。

この他にも(きっと)ありますが、
いま思い出せたのだけでもこれくらいあります。
風呂敷を広げるだけ広げて雑に畳む。
ミスリードに次ぐミスリード。しかし謎は謎のまま。
なにがしたいのかよくわかりません。


その3、怖くない。
怖いと感じることがあるとするならば、
まあ一章でしょう。一章は若干イクメン描写がくどいもののホラーです。
しかし二章からはパニックアクションものです。
便器から手が出てくるのは、もう……なんでしょうか? ムジュラの仮面?
そして三章は、つまらないラノベです。


ではいよいよ三章の話を書きます。
三章はオカルト記者視点で話が進み、
いよいよぼぎわんの正体が明らかに……なるなんてことはなく、
よくわからない除霊であっさり幕を閉じます。

頁数の多さでいうと、一章とほぼ同じ、そこそこの長さがあるのですが、
無意味なくだりがあまりにも多すぎて、すぐに読み終わることでしょう。

オカルト記者の身の上話、
長々調べて、結局ぼぎわんの正体には届かない調査、
スーパな霊能力者によるラノベバトル。
見どころさんは一つもありません。


ところで、私はこの本をわざわざ新品で買いましたが、
最近、古本屋にて200円で売っているのを見つけてしまいました。
単純計算では400円以上損した計算になりますが、
精神的なものを含めると4万円以上損しています。

というのも、この本を買ってから、ずっと胃が痛いのです。「ぼぎわん」のせいです。
三回も記事を書いたのに、誰も褒めてくれないのも「ぼぎわん」のせいです。
あんまりおもしろい記事が書けないのも「ぼぎわん」のせいです。
最近ついったで誤字が多いのも「ぼぎわん」のせいです。
全部「ぼぎわん」のせいだと思います。
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ゴーストハント(悪霊シリーズ)を読もう。 [Book]

ゴミ小説の記事ばかり書いていたら、
軽い胃炎になったので(ぼぎわんの祟り)、
たまには好きな小説の話を書きます。

ゴーストハント (1) 旧校舎怪談 (幽BOOKS)

ゴーストハント (1) 旧校舎怪談 (幽BOOKS)

  • 作者: 小野 不由美
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
  • 発売日: 2010/11/16
  • メディア: 単行本


というわけでゴーストハントです。

ゴーストハントというのは、
十二国記や屍鬼、残穢で有名な小野不由美先生のデビュー作
……というわけではありませんが、とにかく初期の作品のライトノベルです。

私がゴーストハントに出会ったのは、中学生の時でした(おそらく)。
といっても、その頃は『ゴーストハント』というタイトルではなく、
『悪霊がいっぱい!?』というタイトルで、リンさんはケツ顎でした。まあ細かいことです。

ゴーストハントは、
それまで「ホラーに論理性なんて必要ねぇんだよ!」と思っていた私の
オカルト観を変えたと言って間違いのない作品です。
それくらい当時の私にとって衝撃的な作品でした。

ミステリィとホラーが融合された作品なんて初めて読みましたし、
以降これを超える謎解き系ホラーはありません(探せばあるかも)。

シリーズ一作目の内容も非常に挑戦的でした。
あまり書くとネタバレになってしまうのですが、
おどろおどろしい幽霊が出てきて、
ただ怖がらせようとしてくる作品とは一線を画す内容でした。

それに気持ちの悪い人間関係や、気持ちの悪い描写もあまりありませんし、
元々ライトノベルなので、ラノベ的な展開もラノベです(意味不明)。
一般的なホラー小説(ラノベを名乗るべき連中)を普通に読めるのならば、
むしろライトノベルっぽくないと感じるかもしれません。


本当は、もっと詳しく書くつもりでしたが、
体調が悪く、時間もないので、詳しい内容は自分で読んで確かめてね♡(アニメでも可)
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